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味裕軸差論 (Music Salon) (^^ゞ

JAZZを中心とした音楽全般、料理・紀行・言葉などにつき、程良く自由に伝えたい。

2007 05/21

音楽エッセー <え>

<え>ートレインの怪(かい) 

 超スタンダード、Take The A Train の "A Train" とは、ニューヨーク市・地下鉄網の「A線」を指すことは有名。
 A線は、1930年代前半に開通、この曲の出来た1940年初頭には、すでにハーレム方面へのメインルートであった。
 ところで、この曲のキーはC(ハ長調)。 何故、文字通りのA(イ長調)で書かれなかったのだろうか…?
 一説には、某アルト・サックス、バリトン・サックス奏者の陰謀とも…。

 作曲者、B.ストレイホーンは、当時弱冠20代半ば。洒落っ気(ウケ狙い)で、意気揚揚とKey of Aで書いた新曲の譜面を持ち込んだまではいいが、即座に、既に30代で名声も得ていたアルトサックス奏者(JH)、バリトンサックス奏者(HC)から文句を言われたそうな…。
 それというのも、アルト・サックスやバリトン・サックスはE♭管(=楽器の「ド」を吹くと実際には「ミ♭」の音が鳴る仕組)なので、ピアノでKey of A(#3つ)の曲を、アルト/バリトン用に移調した譜面はKey of F#(#6つ)となってしまい、これは確かに演奏しづらい。 二人の大物サックス奏者は、声を揃えて、
 「Key of Aだとぉー??  取れん、取れん! 音が取れん! 『A 取れーん』!」
と言ったそうな…??
 まあ、そこは力関係。若きストレイホーンは、泣く泣くこの新曲をKey of Cに書換えた。またこうすると、アルト/バリトン用の譜面はKey of Aになるので、大物二人は、追い打ちを掛け、
 「そや、そや、 わしらの譜面がKey of Aやから、ええねん!」 とも…。

 さて、現在の「A」トレインは、8th Avenue の怪速、もとい快速電車。これに並走する「C」トレインが各駅停車となっている。
 沿線の、さほど遠くない所、リンカーン・センター内に、かのJアード音楽院があるが、ここでは、Jazzクラスの新入生向けに、上記の逸話を講義した後、実際に地下鉄に乗りこんで、A線⇔C線乗換、および Key of A⇔C移調 の実習を行う!  …という話は、未確認である。

 <参考>NY市地下鉄路線図
 http://uscities.web.fc2.com/ny/information/maps/subwaymap-j.html

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